額縁: 健康教育の取り組み
子ども達のからだやこころの健康についての諸問題が取り沙汰されている今、本校では、平成20年度より、「心と体を一体としてとらえる健康教育の推進」に取り組んでいます。その一部を紹介します。
メモ: 「心と体を一体としてとらえる健康教育」とは
わたしたちの「健康」とは、からだだけに関わることではありません。そこで、次の4つの点から、健康教育を考えています。

○ 子ども達の「心」と「体」は、とても関係深いものとして、その両面から「健康」について考えていきます。
○ 「健康」に関する知識や技能とともに、人間的な成長(新しい価値観や豊かな人間関係)の育成を目指します。

○ 「生涯保健」や「生涯体育」を目指した実践を行っていきます。
○ 「心」で感じわかったことを、実際に「体」を使った行動として実践できることを目指します。

本校では、「心と体を一体としてとらえる健康教育」を推進するにあたり、「ライフスキル教育」を基盤としています。

 「ライフスキル教育」とは、喫煙や飲酒、薬物乱用等の青少年の健康課題の解決のためにアメリカで始まった実践的な教育プログラムです。「ライフスキル」とは、「自分らしく、よりよく生きる」ための社会心理的能力、すなわち「心の能力」のことです。その「心の能力」を高めることを目的としたのが「ライフスキル教育」です。

 「ライフスキル教育」を基盤に、本校では、4つの具体的なスキル(「自尊心の形成スキル」「目標設定スキル」「意志決定スキル」「対人スキル」)の育成を中核に、各学年・学級で実践を通して、健康教育の推進を図る指導方法の研究に取り組んでいます。

メモ: 平成22年度の具体的な実践について
角丸四角形: 第1学年  学級活動「じょうずに はを みがこう」

歯と口の健康は、健康な体づくりにとても大切です。そこで、1年生は、歯の健康への関心を高め、歯磨きを継続する力を付けるために、この学習に取り組みました。

まず、「わたしのはのちず」やレッドコートを使って、現在の自分の歯の様子への関心を高めさせました。次に、「はのおうじさま」と名付けた、第一大臼歯の特徴や働きに目を向けさせました。実際に歯ブラシを使って、第一大臼歯の汚れを取る歯ブラシを動かし方を見つけさせました。紙芝居で第一大臼歯の特徴や働きをわかりやすく理解させたり、大きな歯や歯ブラシの模型で、歯ブラシの当て方をそれぞれ説明させたりする活動の工夫を仕組みました。今でも、1年生は、第一大臼歯に気をつけて、給食後の歯磨きに取り組んでいます。

角丸四角形: 第2学年  学級活動「給食大好き、何でも食べるぞ大作戦。」

食べることは、いのちを育て、はぐくみ、つなぐための基本的な行為です。ところが、最近では、不規則な食生活・偏食・孤食など、子ども達の食生活にも乱れが見られます。そこで、2年生は、バランスのよい食事を目指して、この学習に取り組みました。

 学習に入る前に、自分の食生活への関心を高めるために、事前に給食の残滓を各自に調べさせました。その結果をもとに、自分がどんなものを残しているか、学級全体ではどんな食べ物をたくさん残しているかなどに目を向けさせました。その上で、栄養職員の紙芝居を見せ、赤・黄・緑の食品群に目を向けさせました。子ども達の関心を高めるために、「食べるんジャー」が突然現れ、赤・黄・青の食品群の栄養や具体的な食品を説明するなど、子ども達を飽きさせない工夫を凝らしていました。好き嫌いが激しい子ども達も、この学習を通して、嫌いなものをなくそうとしています。