小さな親切

助けたい

若松中学校 二年

 
ある駅でのことだった。仲よしの友達と帰ろうとすると、何か黒っぽい小さな物が落ちていることに気がついた。何だろうと思い近づいてみると、
「あれ。ヒナじゃない。」
上を見ると、ツバメの巣があった。
「かわいそうに…落ちちゃったのかな。」
私達は顔を見合わせた後、うなずき合った。助けようとお互いに思ったのだ。早速、ヒナを巣に上げようとするが、足場がない。そこで、私は脚立を貸してもらうよう、駅の改札口の人に頼みに行った。すると、その人は放送をかけてくれた。しばらく待っていたら、男の人が来た。私の方を見て不思議そうな顔をしていた。ヒナが巣から落ちているので、助けてあげたいと言うと、さっきまで、なぜこの子が自分を呼んだのだろうと、けげんな目で私を見ていたのに、
「ヒナはどこに落ちていたの。」
と聞き返してきた。私が答えると、「待っていて。」という言葉を残して、どこかへ走っていった。しばらくすると、脚立をかかえて来てくれた。それを巣の下に置いて、私が支えて、男の人は上がった。友達は、ヒナを男の人に大事そうに手渡すと、男の人はそっと巣へ返してくれた。ヒナは、兄弟に会えて、一安心したのだろう。
「ありがとうございました。」
と言うと男の人は、にっこり笑って、
「いやいや、人に対しても動物に対しても、困っていたら助けてあげようという心をもっていることは、とても素晴らしいことだよ。その気持ちを大切にね。」
と言った。
私は驚いた。男の人が、私達のことをほめてくれていることに。男の人こそ忙しいのに、脚立を持ってきて、私達の頼みを受け入れてくれた。そのおかげで、ヒナは助かった。男の人の優しさに心温まる思いがした。
仕事の途中で、中学生の頼みを聞いてくれる人がいたことが、何より嬉しかった。
 巣から落ちたヒナを見つけたのは、私達に命を大切にする勇気と親切にしてもらう喜びを教えてくれるためだったのかもしれない。「助けよう」その気持ちを私は忘れてはいけないと思う。
私達がヒナを助けようという気持ちを持ったから、親切な人に出会えた。
親切にされると、誰でも心が温かくなるのではないだろうか。今、どこかで心が温かくなっている人、そんな人がいっぱいになったら素敵だと思う。



若 中 芸 術 劇 場

  

    

  

      

    

  

  

    

    

  

    

  
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