節分豆撒発祥縁起寺
 豆まき縁起 
も ど る

むかし、むかし、いまから五百年も前のこと、門司の鹿喰峠(かじきとうげ)には猿喰(さるはみ)大鬼が出ては旅人を苦しめていました。

 ある年の
節分の夜、となり村まで手紙をとどけにいくゲンさんが、大いちょうの木の下まできますと、木の上から鬼が出てきて「はらがへったからおまえを食べてしまうぞ。」と言います。ゲンさんはなかなか頭がよくて負けずぎらいの人でしたから「くわれてやるから、そのまえにおれの言うとおりにばけてみろ。」と言いました。 

 鬼はゲンさんのいうとおりに大きな岩や、木や竜
などにばけてみせたあと、最後に「小さな豆にばけ
てみろ。」と言われて、にばけました。そこをす
かさずゲンさんは食べてしまいました。だまされた
鬼はゲンさんのおなかのなかであばれます。ゲンさんは近くの玉泉寺にたすけをもとめました。するとお寺のおしょうさんは小僧さんに豆をたくさんいらせて、ゲンさんに腹いっぱい食べさせました。やがてオナラといっしょに地面にたたきつけられた鬼は気を失って死んでしまいました。

 このことがあってから、お寺では毎年たくさんの豆をいって節分の夜にまくことにしました。これが少しずつ広まって、いまのような豆まきになったということです。

ぎょく  せん   じ
玉 泉 寺